本日,29歳になりました。
それから,
内定を頂いていた事務所にご辞退のお手紙を差し上げ,
裁判官を目指すこととなりました。
今回は相当悩みました。
裁判官を選択した理由とか,事務所への気持ちとか,言いたいことはたくさんあるのですが,なかなかうまく書けないですね。これから少しずつ書いていきたいと思います。
ともかく,もう後には引けなくなりましたので,
これまで以上に研鑽を重ねて参りたいと考えております。
(3月11日追記)
1. 以前から私を知る人はきっと,「弁護士になってビジネス方面をやるつもりじゃなかったのか?」と思う方も多いと思います。
もちろん私もそのつもりでした。ビジネスには興味もありますし,たぶんできなくも無い(と思う)のですが,ただ,性格的にあんまり向いていないというか,疲れたり飽きたりしちゃうような気が(それもかなり高い確率で)したんです。
裁判官の仕事は,内実が最も伴っているというか,いい意味で地味で飾りがないお仕事と思われ,肩に力を入れずに質の高い仕事ができるような印象を持ちました。
2. また,私が以前会社を辞めた理由の一つとして大きかったものが「勤務地も仕事の内容も自分で選べない」ということでした。
このことは裁判官にももちろん妥当するのです。
でも,今回民裁収集中にいろいろな部を回らせてもらっていろんな仕事を見たのですが,どれもそれぞれの楽しさがあることがよく分かり,勤務地についてもまあ国内旅行のようなものだと考えられるし,一生単身赴任をさせるほどひどい人事があるわけでもなさそうなので,まあこれはこれでいいのではないかと思いました。
3. お断りした事務所は,すばらしい事務所だと考えていますし,司法研修所の教官や他の事務所の先生方からの評判もかなりいいと私は思います。それだけにかなり悩ましい選択だったわけです。
でも,一番の問題は,そこに勤務することとなった場合の生活イメージを具体的に持つことができないことです。家族ができるとそのあたりはとても気になりますし,就職活動中もそのあたりを重視していろいろお話しを聴いていたのですが,やはり中に入って仕事を体験し,そこにいる人と時間をともにする実務修習には及ばないわけですよね(渉外事務所で実務修習できるとは限らないわけです)。
そうすると,十分にイメージできないところに行くのはやはりリスクとなり,大きな不安要素となりました。まあ,こういう風に慎重になるのも齢をとったせいでしょうかね・・。
まあ,この問題については,大手事務所とかはサマーインターン制度とかを使ってロースクール生の採用をやるみたいで,他方,実務修習の期間は短くなるようですから,裁判所と法律事務所の立場が逆転する可能性があるかもしれませんね。
(3月14日追記)
先に書いたうち,「渉外事務所では実務修習ができずにイメージが掴みにくい」という点についてですが,事務所の方としてはよりよい判断のために空いている時間を使って実務修習的に受け入れることは全然やぶさかでないとのことでした。私の情報収集に対する姿勢がややパッシブだったために,先に書いたようになってしまいましたが,判断材料を積極的に求める人には,その手段はある程度確保されるようです。
(ついでにいうと,修習生の数が倍増する60期以降では,大手の事務所で弁護修習をすることになる修習生も増えるでしょう。特に新司法試験組は実務修習が民裁,刑裁,検察,弁護の4クールに加えて「選択」という第5の実務修習クールが追加されまして,そこでは原則弁護士事務所に席をおきつつ,裁判・検察など選択プログラムに参加するというもので,実質弁護修習を4か月に延ばすことになるといっても良さそうです。大手事務所は修習生の受け皿として相当期待されているのではないでしょうか。)